蒔絵―中野孝一のわざ―

Published 2018-05-17
中野孝一は、平成22 年(2010)、 重要無形文化財「蒔絵(まきえ)」の保持者に認定された。漆で描いた下絵に金粉や銀粉を蒔き、文様を表す蒔絵は、1200 年以上の歴史を持つ日本の伝統的な工芸技法である。「漆の仕事とは、目に見えないところに神経を注いでいくこと」と語る中野は、土台となる下地づくりから、塗り、加飾までを自ら手掛ける。この映画は、数ある蒔絵技法の中でもっとも多くの工程を有する肉合研出蒔絵(ししあいとぎだしまきえ)を用いた作品、「栗鼠に葡萄文蒔絵箱」が完成するまでの工程を克明に記録したものである。